プロが教える洗面台の蛇口を交換する方法

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交換前の蛇口

洗面台の蛇口が古くなると、水漏れが始まったり、汚れや劣化が気になったりするようになります。そんなときには蛇口本体ごと交換するのがよいでしょう。蛇口の種類も今では様々なタイプが販売されていますが、一般的なツーホールツーハンドルタイプの蛇口などであれば、ポイントさえ押さえれば自力で交換することも十分に可能です。

ここではツーホールツーハンドルタイプの蛇口を、新しいツーホールツーハンドルタイプの蛇口に交換する手順を解説します。

蛇口交換の事前準備と注意点

作業に入る前に準備すべきことや注意点を押さえましょう。

ホールの数とハンドル(レバー)の数を確認する

今設置されている蛇口は、どのようなタイプでしょうか。最近では本当に様々な蛇口が販売されています。まずホール(配管との接続部分の穴)の数が1つなのか2つなのかで、「ワンホール」「ツーホール」と大きく2種類に分けられます。次にハンドル(レバー)の数が1つなのか2つなのかで、「ワンレバー」「ツーハンドル」の2種類に分けられます。こまごまとした特徴の差は他にもたくさんありますが、この2種類×2種類=4種類のうちのどれに該当するかをチェックしましょう。

ツーホールツーハンドル混合栓

ツーホールツーハンドル混合栓

今回ご紹介する事例では、ホールが2つの「ツーホール」で、ハンドルが2つの「ツーハンドル」のタイプの蛇口を取り扱います。最も基本的で構造もシンプルな蛇口といえます。パッキン交換などのメンテナンスや、蛇口本体の交換も簡単なのでお勧めです。

適合する蛇口を購入する

素人の方にとっての最初の難関は、適合する蛇口を購入することかもしれません。ツーハンドルの場合は、2つのハンドルの中心から中心までの長さを測り、同じ長さのツーハンドル混合栓を選べば問題ありません。通常10cmのものがほとんどですが、稀に20cmのものもあります。「合わない部品を買ってしまったらどうしよう」という恐怖感は大きいと思いますので、ホームセンターなどで、スタッフによく確認して適合するものを選びましょう。

新しいTOTOの蛇口(TL306R4GUR)

TOTO TL306R4GUR

今回はTOTOのツーホールツーハンドルの蛇口を用意しました。

蛇口交換時の注意点

今回は、洗面台のフレキホースの長さの調整が発生しました。この作業については素人の方が自力で行うのは難しいかもしれません。できるところまでやってみて、ダメなら水道業者に依頼するというくらいの覚悟があれば挑戦してみるのもよいかもしれませんが、専用の工具はあらかじめ用意しておきましょう。

洗面台蛇口交換作業に必要な道具

今回洗面台の蛇口を交換するにあたって必要な工具は、以下の通りです。

蛇口交換に必要な工具

蛇口交換に必要な工具

古い洗面台の蛇口を取り外す

それでは実際に洗面台の蛇口の交換手順に入ります。

止水栓を閉めて給水を止める

止水栓を閉めないで蛇口を外し始めると、給水管から水が噴き出すことになります。何よりもまず、止水栓を閉めましょう。止水栓には2種類あり、ひとつは洗面台の蛇口への給水を止める止水栓。もうひとつは通常屋外に設置されている建物全体の止水栓。

洗面台下の2つの止水栓

洗面台下の2つの止水栓

今回は洗面台の下の止水栓を閉めるだけでも止水でき、問題はなかったものの、建物がかなり古かったため念のため建物全体の止水栓も閉めることとしました。

屋外の建物全体の止水栓

屋外の建物全体の止水栓

止水栓を閉めたら蛇口を開けて、給水が止まっていることを確認して作業を進めましょう。

止水栓自体の交換も検討

止水栓は水まわりのそれぞれの箇所の給水を個別に止められるよう、台所、洗面台、浴室、トイレなど、それぞれに設置されています。しかし、新築から10年、20年と経過している建物だと止水栓のバルブが固くなり回すことができない場合があります。この時、無理やりバルブを回すと止水栓の内部を痛め、止水栓からの水漏れを引き起こすことがよくあります。止水栓のバルブが固く回しづらい場合は無理せず、建物全体の止水栓を閉めるようにしましょう。もしくは、止水栓自体を併せて交換してしまうのもよいでしょう。今回は併せて止水栓も交換することにしました。

新しい止水栓(KVK K6-P2)

新しい止水栓(KVK K6-P2)

今回使うのはKVKのK6-P2という型のものです。

洗面台下、止水栓上の配管(銅管)を外す

洗面台の蛇口の下には、給水管と給湯管があります。それぞれの配管に、止水栓があるはずです。この止水栓の上、蛇口に向かって伸びている配管を外します。モンキーレンチをナットのサイズに合わせて回します。

止水栓上のナットを回す

止水栓上のナットを回す

給水管、給湯管それぞれのナットを緩め、配管を止水栓から外します。上を見ると、蛇口本体の下から出ている配管の接続部分のナットが見えるはずです。このナットも緩めて外していきます。これで止水栓の上の配管をいずれも外せました。

給水管(銅管)を外す

給水管(銅管)を外す

こういった古い蛇口のナットは、長期間触れていないことがほとんどです。結果的に、ナットと配管が固着しており、簡単には回らない状態になっていることが多いです。そんな時には、CRE556などの潤滑油をナットと管の接合部分にしみこませて少し時間を置くと、さっきまでびくともしなかったナットが、驚くほど簡単に外れたりします。もしナットが固くて回らないときにはお試しください。

蛇口本体を固定しているナットを外す

洗面台の下からのぞき込み、ナットを確認しましょう。

洗面台下からのぞき込む

洗面台下からのぞき込む

この時、ナット締付工具が必要となります。写真でもわかるように、一般的な家庭に常備されているような工具ではありません。蛇口を外したり交換したりするための専用の工具です。普通の形状のレンチでは届かなかったり、届いてもナットを回すだけの力を十分に伝えられない奥まったとこにナットがある場合は、あらかじめナット締付工具をホームセンターやネット通販で用意しておく必要があります。

ナット締付工具

ナット締付工具

ナット締付工具でナットを挟み込み反時計回りに回していきます。2つのナットを外せたら、蛇口本体を持ち上げることで蛇口が外れるようになります。

古い蛇口を持ち上げる

古い蛇口を持ち上げる

止水栓を外す

古い蛇口本体を取り外すことができたら、次に止水栓を外します。止水栓の根元には、モンキーレンチをかませることができるように山ができています。これをモンキーレンチで回していきます。

止水栓をモンキーレンチで回して外す

止水栓をモンキーレンチで回して外す

上の画像を見ると分かるのですが、壁の奥の給水の配管と、止水栓の間には、短いつなぎの配管が接続されています。止水栓を回すと一緒にその短い配管が回って外れることがよくあります。外れたら新しい物と交換して下さい。短い配管は、止水栓単品を購入しても付属してきません。別途購入するか、「アングル止水栓」としてセットで売られていることもあります。

また、短い配管はそのまま残し、止水栓の部分のみ交換したいという場合には、短い配管の部分をモンキーレンチなどでしっかり固定した上で、止水栓を回すようにしましょう。

取り外した止水栓・短い配管

取り外した止水栓・短い配管

上の写真では、いずれの止水栓にもつなぎの短い配管が接続されている状態です。古い止水栓の片方は、写真のようにハンドルのついていないタイプでした。相当に古いので、ずっしりと重い真鍮でできています。

新しい止水栓を取り付ける

新しい止水栓を取り付ける

取り外したのと逆の手順で新しい止水栓を取り付けます。止水栓のオスネジの部分に、シールテープをしっかり巻きましょう。巻きつける方向には注意が必要です。シールテープを引っ張って少し伸ばしながら、10周くらい巻きつけます。

新しい蛇口を洗面台に取り付ける

新しい蛇口を洗面台に取り付けるときに、注意点が2つあります。

フレキホースが必要

洗面台下の止水栓の上に伸ばすフレキホース(ベンリー管)を用意する必要があります。

フレキホース(ベンリー管)

フレキホース(ベンリー管)

フレキホースはホームセンターで購入出来ますが、様々な長さのものが売られています。あらかじめ必要な長さを測ってから購入するようにしましょう。実寸通りの長さのフレキホースが売っていなくても、折り曲げて接続することで調整できるため、実寸よりも少し長めのものを購入するようにします。

フレキホースの取り付け

フレキホースの取り付け

上の写真で使っているのはナット締付工具です。奥まったところのナットを締めるのに使います。外すときに使ったタイプとは別のタイプです。

シールテープが必要

新しい止水栓を設置するには、シールテープが必要になります。シールテープは止水栓のオスネジ部分に時計回りに巻きつけます。新しい止水栓を取り付け、止水栓上のフレキ管を取り付け、蛇口本体を固定してフレキ管と繋いだら完成です。

新しい蛇口を取り付ける

新しい蛇口を取り付ける

まとめ

蛇口を新しいものに交換するだけで、洗面台の印象がガラッと変わります。蛇口はそう簡単に劣化したり故障したりするものではないので、交換すれば10年以上はノーメンテナンスでも使い続けられることがほとんどです。洗面台下の配管の調整が多少難易度が高めですが、やってできない作業ではないので挑戦してみてもよいでしょう。

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